2015年から2017年まで、私は約2年間オーストラリアに留学していました。当時は語学学校に通いながら、現地での生活を思い切り楽しんでいました。そんな私が今回、7年前に取得していたセカンドビザの権利を使って、2025年1月までの予定で再びオーストラリアに戻ってきました。
この7年間で、世界もオーストラリアも大きく変わりました。かつて暮らしていた街を再び歩いてみて、「あれ、こんなだったっけ?」と感じることが多々ありました。本記事では、7年ぶりにオーストラリアに住んでみて気づいたことや、変化した点などについて、当時との比較を交えながら紹介したいと思います。
メトロが開通され、Crows Nestに駅ができたのが衝撃でした
St. Leonardsから歩かないと行けなかった時代が懐かしい。。
なぜオーストラリアに戻ろうと思ったのか?
そもそも、なぜ私が再びオーストラリアに戻ってきたのかというと、理由は単純です。前回の滞在時、オーストラリアの自由で穏やかな生活に惹かれ、「できればずっと住んでいたいなぁ」と強く感じていたからです。
しかし当時の私は、社会人経験もなく、英語力もまだまだで、ワーキングホリデーの枠を超えて現地で長期的に生活するには実力不足だと痛感していました。特に、スキルやキャリアが重視されるオーストラリア社会では、「このまま現地のレストランでバイトしながら生きていくのは厳しい」と感じ、日本に帰国して社会人経験を積むことを決意しました。
その後の就職活動では、「いつかまたオーストラリアに戻る」という目標を見据えて、現地でも需要のあるITインフラ系の仕事を選びました。約6年間、日本で経験を積んだ上で、ようやく再びオーストラリアに戻ることができたのです。
戻ってきて変わっていたこと
今回の滞在で感じた「大きく変わったこと」は、大きく分けて2つあります。
【1. 物価と賃金の変化】
まず感じたのは、物価の大幅な上昇です。2017年頃までは、$10あればファストフードでそこそこの食事ができていたのですが、今は$10では何も買えないと言っても過言ではありません。例えば、マクドナルドのセットが$14以上することも普通です。
家賃も大きく変わりました。当時は週$200も出せばオウンルーム(個室)に住める印象で、実際に私は週$140ほどの2人部屋に住んでいました。しかし今回は、オウンルームで週$300という家に住むことになり、当初は「高すぎる…」と本気で心が折れそうになりました。
とはいえ、賃金も同じくらい上昇しています。私は今回、7年前と同じ場所で再び働く機会を得たのですが、当時は時給$23だったのが、今回は$30にまで上がっていました。以前は週に頑張って$1000稼げるかどうかでしたが、今では普通に働くだけで週$1000は軽く超えます。
つまり、物価と賃金が両方上がっているため、生活の難易度は劇的に変わったわけではないのですが、物の値段だけを見てしまうと、やはり衝撃は大きいです。
【2. 日本文化の浸透と日本人の評価の変化】
もう一つ大きく変わったと感じたのは、「親日化の進行」です。
2017年ごろまでは、自己紹介で「日本出身です」と言うと、「アジアのどこかね?」とか、「中国のどこ?」と返されることも珍しくありませんでした。ですが今回は、かなりの確率で「日本行ったことあるよ!」とか「来月行く予定なんだ」というような反応が返ってきました。実際、円安も影響して、日本旅行がかなり人気になっているようです。
さらに驚いたのが、日本の「ガチャガチャ」が街中に普通に設置されていたこと。価格は1回$5(約500円)ほどでしたが、現地の子どもたちにも人気のようでした。日本食レストランも増えており、街中ではひらがな・カタカナを見かける機会も増えました。
その一方で、残念な変化もあります。それは「日本人全体の評価が下がっている」と感じる場面があったことです。最近では、出稼ぎ目的で来豪する日本人や、TikTokなどSNS映えを狙って滞在している人たちも多く、彼らがマナーを守らなかったり、働く意思がなかったりするため、全体の印象が悪くなっているとの声を耳にしました。
私がホームステイしていたホストマザー(昔からの親日家)も、「最近の若い日本人は文化に溶け込もうとしない」と嘆いていました。以前は真面目に働く人が多く、日本人は勤勉だというイメージが強かったのですが、今はローカルジョブどころか、ジャパレス(日本食レストラン)で働くのすら難しいという声もあります。
【その他の変化】
街の風景にも小さな変化がたくさんありました。たとえば、以前通っていたお気に入りの「丸亀製麺」が閉店していたのにはショックを受けました。日本と変わらない味が恋しくなったときに通っていた場所だったので、とても残念です。
その一方で、新しくLight Rail(ライトレール)やメトロが開通していたことには感動しました。7年前に帰国する直前、ちょうど工事が始まっていたのを覚えているので、実際に完成して稼働している姿を見ると感慨深いものがありました。
ただ、建物や自然、空気感は当時とほとんど変わっておらず、到着したときは「帰ってきたなぁ」と懐かしい気持ちに包まれました。
まとめ
今回の滞在で強く感じたのは、以下の2点です。
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物価と賃金の上昇
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日本文化の浸透と、日本人の評価の変化
この7年間で、私がオーストラリアについて語っていた知識やアドバイスは、かなり「古い情報」になっていたと実感しました。本当に浦島太郎のような気分です。
ちなみに、私は前回もファーム(農業労働)に行きましたが、以前よりも違法ファームが減っているるみたいで、セカンドビザを取得するために苦労していた時代とは違い、今は比較的スムーズにビザが取れる人も多いようです。正直、うらやましい限りです(笑)。
日本もこの7年で大きく変わりましたが、それ以上に、オーストラリアは変化のスピードが早い国だと改めて感じました。今後も、また戻ってくるチャンスがあるなら、ぜひその変化を体感してみたいと思います。
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