Noshでバイトしてた時の話

オーストラリア生活

自分はオーストラリアに2015年〜2017年、そして2024年〜2025年までの合計で約3年間住んでいた。その中で色々な仕事を経験したが、一番長く関わったのが Nosh Hospitality(以下Nosh) という派遣会社を通じた仕事だ。オーストラリアで働くとなると「ジャパレス(日系レストラン)」や「ローカルのカフェ・レストラン」を思い浮かべる人が多いと思うが、自分の場合は派遣という形で色んな職場を経験できたのが大きな財産になっている。今回は、そのNoshでの仕事についてまとめてみたい。

 

Noshとは

Noshはシドニーを拠点にするホスピタリティ系(飲食関連サービス業)の派遣会社だ。自分が話を聞いたスタッフによると、90年代から働いている人もいるらしく、少なくとも30年以上の歴史がある会社らしい。派遣の仕事なので単発の現場が多く、仕事内容は幅広い。

  • キッチン(皿洗い、調理補助、シェフ)

  • FOH(ホールスタッフ)

  • ハウスキーピング

  • バー、バリスタ

  • イベント時のチラシ配りや会場スタッフ

最初は英語があまり必要ない皿洗いやハウスキーピングから始められるので、語学力に自信がない人でもチャレンジできるのが魅力だ。実際、自分も英語力が不十分な時期は皿洗いからスタートした。

また、国籍がとにかく多様なのも面白いポイントだ。チリ、フィリピン、バングラデシュ、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、中国、インド、スペイン、フランス、モンゴル、オーストラリア…思い出せるだけでもこれくらいの国の人と一緒に働いた。日本人は本当に少なく、自分が会ったのはたった1回だけ。その人も「何年も働いてるけど日本人はあなたが初めて」と言っていたくらいだ。

これは差別とかではなく、単純に日本人の多くはジャパレスや日系企業で働く傾向にあるからだろう。派遣という選択肢を知らない人が多いのだと思う。逆に言えば、日本人がほぼいない=完全英語環境 なので、「せっかく海外に来たんだから英語を使って働きたい!」という人には最高の環境だと思う。

給料面もかなり良い。2025年時点で一番低いポジションでも時給$32からスタート。夜19時以降や土日勤務だと割増(Penalty rate)が付き、さらにシェフやバリスタなどスキルの必要な職種だともっと高時給になる。自分はローカルのカフェで時給$25で働きながらNoshもやっていたが、正直「カフェで働くのがバカらしい」と思うくらい差があった。

ただし、デメリットもある。最大のネックは「安定しないこと」だ。常にシフトがあるわけではなく、入れない週もある。だから多くの人は掛け持ちで働いていて、Noshは「入れる時に入る」スタイルになる。現場に気に入られてフルタイムで継続的に働けることもあるが、それは完全に運次第。自分も2017年当時はフルタイムでガッツリ仕事をもらっていたが、2024年以降は基本的に単発の案件ばかりだった。

大手食品会社のイベントでジャパニーズカツカレーのブースを担当したときの写真。
本当はイタリアンを担当する予定だったが、「お前日本人ならカツカレーやれ!」と言われて
カツカレー担当になった(笑)

どうやって見つけたか

自分がNoshを見つけたのは本当に偶然だった。2017年、ファームから帰ってきて日系以外の仕事を探していたものの全然見つからず、途方に暮れていた頃。とにかくがむしゃらに履歴書を配りまくって応募しまくっていた。その中の1つにNoshがあり、ある日突然電話がかかってきた。

「今どんな状況?」「ビザは?」「どのくらい働ける?」と簡単な質問をされ、「じゃあ明日面接来れる?」となり、あっさり面接が決まった。

面接といっても堅苦しいものではなく、軽く説明を受けて書類を記入する程度。その後、ちょうどフルタイムの学校食堂のポジションが空いていたため、その場で決定し、その日のうちに「WWCC(Working With Children Check)」を取りに行くことになった。こうして自分のNosh生活が始まった。

ちなみに2025年現在では管理がかなりシステム化されていて、専用アプリで仕事を選んで応募できるようになっている。昔は勤怠もメール報告だったが、今はアプリで一括管理。オフィスも以前のSurry HillsからMuseum周辺に移転していた。スタッフの話ではコロナをきっかけに大きく変わり、オフィススタッフの数も10人以上から2人に減ったらしい。

 

主な仕事内容(印象に残った現場3つ)

Noshでは色んな現場に行ったが、その中でも特に印象に残っている3つを紹介したい。

 

① 超お嬢様学校の食堂

唯一、2017年から2025年まで継続的に働いていた現場。皿洗いや調理補助、お弁当のパッキングなどが主な仕事。学校内の会議で料理やワインを提供したり、BBQイベントの準備をしたりと業務は多岐にわたる。

昔は中国人スタッフが10人以上いて大忙しだったが、今は人数も半分以下。長年残っているスタッフも少なく少し寂しかったが、ここは食事も美味しく、雰囲気も良いのでNoshの中でも人気の現場らしい。基本的には固定メンバーが多いので、新しく入るのは運次第。

 

② コンサート会場スタッフ

大規模コンサートの売店やVIPルームでの接客。売店はシンプルに飲食を提供するだけだが、英語の聞き取りが難しかった。NSW州の法律で「酔いすぎている客にはアルコールを提供してはいけない」というルールがあり、その判断が意外とシビアで緊張した。

VIPルームはさらに高待遇で、専属でお客さんに料理やお酒を提供する。お金持ちや有名人も来るが、態度が悪い人もいて対応力が試される現場だった。

 

③ 公務員の研修施設

オーストラリアの公務員が泊まり込みで研修する際に利用する施設。仕事内容はホール、シェフ補助、皿洗い、ハウスキーピングなど多岐にわたる。

立地が特殊で、マンリーの山奥にあり、シドニーシティからフェリー+徒歩40分。夜の帰り道は真っ暗で車がないとかなり大変だが、その分現場はアットホームで良い人ばかり。仕事も予定より早く終わっても定時まで申請できたり、まかないを食べられたりと、意外とお得な現場だった。帰りにマンリービーチでのんびりして帰るのが密かな楽しみだった。

 

 

まとめ

今回はNoshでの仕事について紹介した。良い現場を紹介してくれるし、給料も高いし、スタッフも親切で、オーストラリアでの貴重な経験になったのは間違いない。ただし2025年現在では皿洗いやハウスキーピングといった未経験向けの募集は減ってきているようだ。自分も以前のコネで入れてもらえた部分が大きかった。

働けるかどうかはタイミングやスキル次第だが、特にバリスタやシェフのスキルがあれば有利だと思う。もし英語環境で働きたい、色んな国の人と出会いたい、短期で稼ぎたいという人にはぜひ挑戦してみてほしい。
Noshのホームページはここ

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