オーストラリアの国土は日本の約20倍にもなり、比べ物にならないくらい広い。都市部であれば公共交通機関である程度は生活できるが、少し郊外に出るだけで一気に「車社会」に変わる。特にワーホリや学生ビザで滞在している人の中でも、ファームで働く人や地方都市に住む人にとっては車はほぼ必須の存在になる。
車を持っているだけで仕事の幅が広がったり、採用されやすくなるケースも珍しくない。実際「車持ってる?」と最初に聞かれることも多い。というわけで今回は、オーストラリアでの車事情や運転に関するリアルな体験をまとめていく。
主な交通ルール
まず大前提として、日本人にとってありがたいのは「左側通行」である点。これは日本と同じなので、最初のハードルはかなり低い。ただし、それ以外のルールや文化には違いも多い。
・ハンドルは右、左側通行(日本と同じ)
・ラウンドアバウト(環状交差点)が多い
・歩行者優先の意識がかなり強い
・制限速度が場所ごとに細かく変わる
・ウインカーや車線変更のルールは比較的厳格
特に日本人が戸惑うのはラウンドアバウト。信号の代わりに円形の交差点になっていて、すでに中を走っている車が優先になる。最初は怖いが、慣れると信号待ちがない分快適に感じる場面も多い。
また、日本と比べて「スピード管理」がかなり厳しい。至るところにスピードカメラが設置されており、少しのオーバーでも容赦なく罰金が飛んでくる。日本の感覚で「ちょっとくらい大丈夫だろう」と思っていると普通に痛い目を見る。
自分が車を買った時
まず車を購入した理由だが、大きく分けて3つある。ひとつはタスマニアのファームで働くためで、現地では車を持っていることが大きなアドバンテージになる。というのも、ファームの仕事は送迎が用意されていない場合が多く、そもそも車がないと応募すらできないケースも珍しくないからだ。もうひとつは通勤の利便性で、宿泊施設から農場まで距離があることが多く、オーナー側も送迎の手間を嫌う傾向がある。そのため、自力で通える人の方が圧倒的に有利になる。そして最後に、生活の足としての必要性も大きかった。タスマニアは特に田舎で、スーパーに行くにも距離があるため、車がないと生活そのものがかなり不便になる。
車の探し方については、日本人向けのサイトである「JAMS」と、現地で一般的に使われている「Gumtree」の両方を利用した。最終的にGumtreeで購入を決めた理由はシンプルで、JAMSは日本人限定のため掲載数が少なく、選択肢が限られていたのに対し、Gumtreeは現地の人も利用しているため圧倒的に母数が多かったからだ。また、車種については最初から日本車に絞って探していた。これは日本人だからという理由ではなく、単純に壊れにくいという評判を重視したためで、結果的にマツダを選んだのは正解だったと感じている。
購入の経緯としては、気になる車のオーナーに3人ほど連絡を取り、その中から最終的にシティからバスで20分ほどの場所に住む一般家庭(4人家族)から購入することになった。車は1999年式のマツダで、価格は1,800ドル、日本円にして約18万円ほどだった。状態としては完璧とは言えず、運転席の窓が開かないなどの不具合もあったが、予算との兼ね合いに加え、売主の人柄が非常に良く、信頼できそうだと感じたため購入を決断した。このとき強く感じたのは、「車そのもの」だけでなく「売る人」で判断することの重要性である。実際、売主は手続きにも協力的で、最初にガソリン代として10ドルを渡してくれるなど、かなり親切な人だった。支払いについては銀行で現金を引き出し、その場で直接手渡しで行った。
購入後の手続きとしては、まず車両登録、いわゆる名義変更を行った。これは図書館などで手続きが可能で、売主が同行してくれたおかげでスムーズに進めることができた。その後、事故に備えて保険にも加入した。利用したのは自分が口座を持っていたNABの自動車保険で、対人・対物補償込みで約300ドルほどだった。また、中古車ということもあり故障リスクを考えて、一番安いプランのロードサービスにも加入している。なお、高速道路の料金については日本のETCのような事前登録型ではなく、後からナンバープレートで支払う仕組みになっているため、特に会員登録などは行わなかった。

↑タスマニアで買った車とお別れする時。少し寂しさがあった。。
車を運転する時の注意点
オーストラリアで運転する上では、日本ではあまり考えられないような注意点がいくつもある。まず最も衝撃的なのが野生動物の存在で、高速道路を走っていると普通にカンガルーが飛び出してくる。タスマニアではワラビーが同じように出てくることもあり、さらに道路脇には轢かれてしまった動物の死体が転がっていることも珍しくない。最初はかなりショックを受けるが、あまりにも頻繁に目にするため、正直なところ次第に慣れてしまう部分もある。
また、地方に行くと街灯がほとんどない道路も多く、夜間の運転は想像以上に危険になる。視界が極端に悪くなるため、スピードの出しすぎには特に注意が必要だ。さらに、日本と大きく違う点として、高速道路に料金所や入口ゲートがないことが挙げられる。そのため気づかないうちに有料道路に入ってしまうことがあり、後からインターネットでナンバープレートを使って支払いを行う必要がある。ただし、このナンバー検索がうまくいかないこともあり、支払い時に少し焦る場面もあった。
罰金についても非常に厳しく、スピード違反に関しては最低でも50ドル以上は取られることが多い。しかもスピードカメラが至るところに設置されているため、少しの油断がそのまま罰金につながる。中古車を購入する場合は特に車選びも重要で、壊れにくさを考えると日本車が無難だと感じた。また、それ以上に売主の人柄を見極めることも重要で、明らかに相場より高く売ろうとする人は避けた方がいい。
さらに、オーストラリアでは基本的に車中泊は禁止されているため、車で寝泊まりをしたい場合はキャラバンパークなどを利用する必要がある。駐車に関しては無料の場所も多いが、時間制限が設定されているケースもあるため、標識の確認は欠かせない。一方で、特に制限が書かれていない場所であれば自由に駐車できることが多い。
加えて、州ごとに交通ルールや免許の扱いが異なる点にも注意が必要で、場所によっては持っている免許証が有効と認められない場合もある。運転中の歩行者の動きにも注意が必要で、赤信号にもかかわらず横断してくる人もいる。クラクションを鳴らすと逆に怒られることもあり、文化の違いを感じる場面でもある。最後に標識の色にも違いがあり、日本では高速道路が緑色で表示されるのに対し、オーストラリアでは青が高速道路、緑が一般道路を示しているため、最初は戸惑うかもしれない。
まとめ
今回はオーストラリアでの車の運転についてまとめた。
この記事の内容をまとめると、
・オーストラリアでは車があるだけで生活と仕事の自由度が一気に上がる
・交通ルールは日本と似ている部分もあるが、独特な点も多い
・運転は快適だが、罰金や動物など日本にはないリスクに注意が必要
オーストラリアでの車生活は、正直かなり自由で楽しい。どこまでも続く一本道を走る感覚は、日本ではなかなか味わえない。ただその一方で、油断すると普通に事故や罰金につながる環境でもある。
これから車を買う人や運転する人は、「日本と似てるから大丈夫」と思わずに、しっかり現地ルールを理解した上で運転することが重要。
うまく活用すれば、仕事の幅も生活の質も一気に上がるのがオーストラリアの車社会。ぜひ安全第一で、充実した海外生活を送ってほしい。


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